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中年女が、奇腐人な日々を綴ります。
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台風です。
台風が来てます来てます。
今度の台風はウーコン(孫悟空)というらしいですよ。
オラワクワクしてきたぞ!
まぁ、それは置いときまして、本の感想デス。

あらすじは、また公式より抜粋。
月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。ふたりが出会ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。
…と、ここまで抜粋しました。

感想モロモロは隠しよりドウゾ。
興味のない御方はスルーにてヨロシコ。


---------------------

文藝春秋社より発刊されております、本格ミステリ・マスターズです。
前に読んだ歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」も、そこから出ておりまして、コレがまた良作でした!
なので、太田忠司さんの本は読んだ事がないものの、ちょっとこのシリーズは一読せねばいけないかも知れんよ?と思いまして手に取りましたデス。
結果、大当たりでやんした!
歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」でも完膚無きほどに叩きのめされた如く騙され、そしてまたこの作品、太田忠司さんの「月読」でもケチョンケチョン(死語)に、気持ちよく騙されたのでした。

人が死ぬと月導という現象が起こる、あきらかにこの現実とは違う世界。
けれどその世界は、月読という特殊な能力を持つ人にしか読めないある種のダイイングメッセージである月導(つきしるべ)があるというだけで、なんら私たちのこの世界と変わる事なく、ファンタジーの世界は「風味」程度に留まっておりまして、この話の大本「ミステリー」を邪魔しておらず、ほんのちょっとの不可思議な描写も許せない!と感じる人を除いて、普通にミステリものとして読めるものだと思いました。

冒頭での朔夜一心の子供の頃。
それは彼が能力に目覚めた時のエピソードかと思ったら、それだけの為に書かれたのではなく、ああ、だからこの時のための!!などなど、色々な描写に無駄が無く、ジックリと読み込まれる推理の達人を除きましては、クライマックスの種明かしで気持ちよくヤラレタ感を味わえる、一風変わった世界を取り入れたミステリ小説の良作と言って過言じゃないと思うデス。

また、神秘的な雰囲気を醸し出す月読の朔夜一心をはじめ、渋いオヤジの河井寿充、自身に迷いを感じている高校生の絹来克己、妖しい美少女の香坂軽炯子、省略しますが(笑)その他モロモロの人々、それらの関係の糸が一重二重と絡み合っていく経過も魅力的でした。

それになんつったって、月読の朔夜一心というキャラクターがカコイイ。
萌えまするよ。ヽ(*゚∀゚*)ノイヤーン

ラストからは次シリーズはあるのかと期待感も薄れますが、その特殊な月導、そしてそれを読む月読という設定は、打ち止めにするには勿体無い。
シリーズものを多く手掛けておられる作家さんでありますので、是非ともこの世界もシリーズ化してほしい。
南無南無と願わずにはいられない一作でした。


●○●こんな人にオススメ●○●
※ひと味、違う風味が入ったミステリを読んでみたい 御方
※気持ちよく騙されてみたい 御方

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ブログ名の「ヲバノフ」の由来は
「ヲバサン」の書く「腐」話って意味でござるよ。
基本的にオカメインコ好きな年甲斐のない人なんですが、けして悪人ではないので、生暖かい目で見守ってやってくだせい。


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